いよいよ日本語版が発売されます。→ハンドスプリング日本法人
Visor は、Handspring 社から今秋発売された、Palm Computing Platform、つまり 3Com の Palm シリーズや IBM WorkPadと互換の PDA です。ラフォージ少佐とは関係ありません。特徴や開発経緯などは Handspring 社のサイトなどにも記載されていると思うのでそちらをどうぞ。
某ショップで Visor Deluxe が山積みされているのを見て思わず衝動買いしてしまいました。色は各色が店頭にそろっていましたが、もっとも派手なオレンジを選びました。
前に使っていた WorkPad 30J (実は1か月前に床に落っことして液晶表示が不安定になっていた) からのデータの移行、J-OS IIIx による日本語化、従来から愛用してきたアプリケーションのインストールなどはすんなりいきました。
Muchy's Palmware Review では「安っぽい」と酷評されていますが、従来の質実剛健なイメージの Palm シリーズでは考えられなかった色づかいは楽しく、気に入っています。
また、本体下部に並んでいるハードボタンが少し堅めで、浅いところでクリック感があります。これは好みが分かれるかもしれません。私は左から順に、 Datebk3、Address、Quicksheet、Hi-Note を割り当てていて、普段からこの4つをメインで使っているのでよくこのボタンを使うのですが、Palm シリーズの深く沈む感じはいま一つなじめませんでした。
クレイドルがUSBインターフェイスになっています。PC に Palm Desktop をインストールして、WorkPad からのバックアップデータを移行し、この USB クレイドルで HotSync したところ、WorkPad に標準添付だった IRSync (赤外線インターフェイスで HotSync するためのソフト) も移ったせいか、それ以降なぜかこの USB クレイドルは使用できなくなってしまいました。たぶん IRSync を削除すればまた使えるようになるでしょうが、ふだんからクレイドルを使わず赤外線で HotSync しているので、そのままにしています。
追記 (1999/12/27) 原因はやはり WorkPad から移行した IRSync でした。以下は、IRSync 関連ファイルを削除すれば USB で HotSync ができることを確認したのち、再び赤外線のみ有効な環境に戻すまでの手順です。
PC のバックアップフォルダ (\[Palm Desktop のインストールフォルダ]\[ユーザー名の省略形]\Backup) にある以下の3つのファイルを別のファイルにコピーしておく。これを行わないと、次の HotSync 時に永久に失ってしまうので注意。
Visor でアプリケーションシルクボタンをタップし、メニューシルクボタンをタップして、[ソフト] → [削除] で次の3つを削除する。
USB クレイドルに置いて HotSync ボタンを押す。成功!
ふだんは赤外線を使いたいので、PC の InstallTool (または InstallBuddy) で、別のフォルダにコピーしておいた3つのファイルを再度インストールする。
USB クレイドルに置いて HotSync。
Visor の Prefs で IRSync を呼び出し、[赤外線] に切り替える
Visor で HotSync → ローカルSync。成功!
(2000/1/13追記) Visor に対応した IrLink 1.5 という赤外線コミュニケーション用ソフトが IS/Complete, Inc. から発売されました。これを使えば赤外線とUSBクレイドルの両方を利用することができます。
従来の Palm シリーズになかったものとして、Datebook+ (Datebk3 のサブセット版)、CityTime (世界時計) などが標準で入っています。さらに、従来から使っていた次のような各種のソフトを入れていきました。ソフトの詳しい説明や入手方法などは Muchy's Palmware Review などを参考にしてください。
(2000/5/21) NM502i を使って通信するには、まず赤外線 HotSync をサポートするソフト (Palm Inc. の Enhanced Infrared Update と IrSwitch の組み合わせか、IrLink 1.5) をインストールして、HotSync のインターフェイスを赤外線ポート (IrDA) にリダイレクトできるようにしておきます。
次に Prefs でモデム (Modem) の設定とネットワーク (Network) の設定を行います。IBMのサイト や Muchy.com に記されている設定が参考になります。
しかし、PPP timeout (0x1231) というエラーで接続に失敗してしまいます。NTT DoCoMo が提供している mopera や、商用プロバイダが提供している # で始まる携帯電話専用番号ならばすんなりとつながりますが、通常のアナログ回線ではタイムアウトになってしまいます。どちらにしても接続だけで1分もかかるようでは実用にならないのですが。
また、9,600bps という速度も考えものです。通話料金明細書を見て気絶したくなければ、メールのチェックはiモードを使ったほうが無難でしょう。村上正幸氏作の IrMail という、iモードのメールを赤外線で転送して Palm で読み書きするソフトがあるので、それを活用するという手もあります。
現在 Visor で通信するにはこれしか手段がないので思わず飛びついてしまいましたが、 PHS の Springboard モジュールが出てくるのを待つのがやはりベストだと思います。
リセット用の穴が深く、従来の Palm シリーズ用スタイラスでは届かなくなってしまいました。
ペンが右側面から上に押し出して取り出せるようになっており、このへんは PalmPilot 以前の設計に戻っています。裏面から押し出す Palm III 以降の設計では、裏面にベルクロで貼り付けるタイプのケースを使っている場合、ペンを取り出しにくく不便でした。
クレイドルに接続するインターフェイスが従来の Palm シリーズと異なるため、これまでの Palm シリーズ用拡張機器はいっさい使えません。私の場合、長距離移動中の文書入力を Palm (WorkPad) でやりたくて、GoType! (Palm専用キーボード)、SH-Keys (片手入力キーボード)、Happy Hacking Cradle (PC用キーボードを接続可能にするクレイドル) に手をだしたのですが、これらがすべて使えません。
しかし、いままでの経験では、キーボードを持ち歩くぐらいならサブノートパソコンを持ち歩いたほうがデータ転送・変換の手間がないぶん楽です。また、画面と眼との距離はふつう50〜80センチぐらい離しますが、GoType! などでは Palm の画面が小さいこともあってこの距離が保てず、どうしても画面を覗き込む姿勢になってしまい、ストレスがたまります。かえって、Palm 本体を眼から30センチぐらいに近づけて Graffiti 入力したほうが楽です。そのため、最近は GoType! もオクラ入りになっていました。
(2000/1/1 追記) なお、WorkPad日本語版でないPalmシリーズで日本語の長い文章を入力するには、manae と dic-tk の組み合わせがお勧めです。Muchy's Palmware Review! では、manae の変換方式 (SKK方式) は戸惑う、J-OS のほうがしっくりくると批評されていますが、実際に30分ぐらい連続して長い文章を書いてみると manae の真価がわかるでしょう。PC なら文字種変換や文節区切り変更などのキーボード操作が容易ですし、また賢い連文節変換アルゴリズムの実装が期待できます。しかし、Palm シリーズの小さな画面上では、文節を区切りなおすのはイライラが募りますし、メモリの制約もあって今後連文節変換などが飛躍的に向上するとも思えません。manae はそのあたりをバッサリと割り切っているぶん、Graffiti エリアの入力だけでほとんど完結するため、文章を書くこと自体に集中できます。また、manae の変換効率を上げるには、送りがなに対応した dic-tk 辞書がベストマッチです。
(2000/5/21 追記) 増井俊之氏作の Palm用インラインPOBox も使い始めました。
MH 形式 (MH、Mew + IM など) 専用の、MeDoc 形式テキスト変換 Ruby スクリプト。
MeDoc 作者の吉田裕一氏により、各種のメールソフトのメールログ形式に対応した MeDoc 形式変換プログラム MakeMedoc が提供されていますが、その初期のバージョンではMH形式 (1メッセージ1ファイル) に対応していなかったのと、たとえば添付ファイルのついたメッセージを飛ばしたいときなど、フォルダ内の特定範囲のメッセージのみを選びたいことがあったため、新たに Ruby スクリプトで作成しました。まだ発展途上です。
オリジナルの MakeMedoc とは異なり、テキスト形式から Doc 形式 (拡張子pdb または prc) への変換やインストールは、別のツールで行う必要があります。Windows なら、InstallBuddy がコマンドラインでも使えるので便利です。
1999年11月現在のデータです。
1999年12月26日現在のページに対応し、ヘッドラインと記事だけをたどって切り出すようにしています。
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